この曲作りは主に小田さんのスタジオで行った。
世間では小田さんのことをやたらと繊細だ繊細だと言うが、繊細じゃないアーティストなんていないと思う。繊細でなければいい曲は書けない。
とは言え、僕も小田さんのことを気難しそうだなあ、怖そうだなあ…と思っていた。しかし実際にお会いした小田さんは体育会系の大先輩風、であった。時々怖い。しかし優しく、よく笑う。
このレコーディングに入るまで、僕はアーティストとしての自信が揺らいでいた。歌を作るということとは?レコーディングとは?スタッフとはどう付き合えばいい?それを無言のうちに教えてくれたのが小田さんだった。僕は小田さんとのスタジオ作業で様々なものから救われたのだ。
そうそう、この曲のTDの最中に2機の飛行機が貿易センタービルに突っ込んだ。みんなでスタジオのテレビ見ながら「2機目ってどういうことだ!?」とTDそっちのけで大騒ぎだった。
あの日から世界は激変してしまった。
いろんな意味で思い出深い1曲である。