2000年頃から約1年間、僕は小田和正先輩に何度か呼ばれ、レコーディング参加させてもらった。
その現場の雰囲気が良かったことと、尊敬すべき先輩アーティストの声に飢えていた僕は、後日小田さんに「シングル1枚プロデュースして下さい!」と頼み込んだ。そのシングルが「ドライブ」である。
「カップリングは小田さんと何かカバーをやりたい」と僕が言った時、小田さんが見せてくれたのがスターダストレビューのライブに小田さんがゲスト出演した時の映像だった。小田さんのピアノで小田さんと要さんが歌っていたのが「木蘭の涙」だった。
「お前この曲知ってるか?これ歌ったらいいんじゃないか?こんな感じのアレンジで」
原曲とは全く別のアプローチ。ほぼ小田さんのピアノとコーラスと僕の歌だけのシンプルなアレンジ。もちろん即決。
この後、「木蘭の涙バラードバージョンブーム」の火付け役となった(自分で言います)貴重な1曲。
これまでにこの曲が縁で本家本元の要さんと何度かご一緒させてもらっている。「サトルは俺たちの曲の中でこの曲しか知らないだろ?」と会う度に要さんに言われるが、さて、それはどうでしょう…。