【recording data】
word & music 坂本サトル
recorded at 音屋ホール (2017 福島県相馬市)
坂本サトル:vocal, acoustic guitar, programming
渡辺洋一:electric guitar
坂本昌人:bass
鈴木慎也:drums
森山公一:kaossillator
【坂本サトルによるセルフライナーノーツ】
2017年に福島県相馬市で行われた6曲のレコーディングは4泊5日の合宿スタイルで行われた。
レコーディングに入る直前の1週間で溜め込んでいたアイディアを一気にまとめて、7月8日早朝、相馬へと向かう。この時点でプロデューサーの森山はもちろんメンバーさえレコーディングする曲を1曲も知らないという恐ろしい状況だった。
昼過ぎに音屋ホールに到着。森山とレコーディングエンジニアのナベちゃん(渡辺正人)は翌日から来る事になっていてこの日は4人だけ。楽器をセッティングし、メンバーに譜面を渡し、口頭でアレンジのイメージを伝えそこから4人で構成や具体的なアレンジを詰めていき、この日のうちに6曲中、5曲を一気に仕上げた。
この曲も含め、相馬でレコーディングされた楽曲の中のアコギは全てラインのみ。マイクを一切使用していない。「録れた音が良かったから」の一言に尽きるが、僕の25年のキャリアの中で初めての出来事だった。レコーディングが進むにつれ、エンジニアのナベちゃんが「アコギにマイクって要ります?」とまで言うようになってしまったほどのグッドサウンド。
使用アコギは68年製のギルド。エレキは渡辺のみ。印象的なトーキングモジュレーター的サウンドは「カオシレーター」というパッドをいじくり回して様々な音を出す楽器。森山が1発OKでナイスセンスなプレイを披露してくれた。
虚無感。場末感。焦りとあきらめ。ジリジリとしたエロス。言葉遊びも含め面白い詞になったと思う。