M09. 通り雨

 
【recording data】
word & music 坂本サトル
recorded at 音屋ホール (2017 福島県相馬市)
坂本サトル:vocal, acoustic guitar, electric guitar
渡辺洋一:electric guitar
坂本昌人:bass
鈴木慎也:drums
鹿嶋静:violin
 
 
【坂本サトルによるセルフライナーノーツ】 
1枚の写真がある。ある夏の終わり、実家のウラで親戚が集まってバーベキューをした時に撮った1枚。そこに写っているみんなが笑っている。その日、父は「腹の調子が悪い」とほとんど料理をクチにしなかったが、その写真ではいつものように静かに笑っていた。温和な人だった。
その数週間後、彼は膵臓ガンで余命半年と診断されることになる。そこにいた誰もがそれが父にとって最後の夏になるとは夢にも思っていなかった。最後はいつも最後とは気付かない。だからこそ一瞬一瞬を大切に生きなければならない、と頭ではわかっているけれども中々上手くはいかない。
本番で録ったテイクがプリプロで録ったものを超えられず、結局プリプロ時の演奏を採用した。「アレンジが煮詰まる1歩手前」という気楽さからか、全員に余裕があるテイクが録れた。この曲もアコギはギルド。やはりラインのみで録っている。中盤とエンディングのギターソロは私。鹿嶋静のバイオリンが華を添えてくれた。彼女が宮城県東松島市でJIGGER’S SONを聴いていたのは中学生の頃だったという。

 
 
【坂本昌人】 
今のジガーズサンだからこそできるこの空気感。

 
【鈴木慎也】
パラパラからザーザーまで色々な通り雨の雰囲気が出てます。

 
【渡辺洋一】
思わず情景が浮かんでしまう一曲です。