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vol.44 「アイルランドへ」
今回の旅の目的を簡単に説明する。
あなたは「Riverdance(リバーダンス)」というエンターテインメントをご存じか?
実際に見たことはなくとも名前を聞いたことがあるという人は多いかも知れない。
アイルランドの伝統的な踊りであるアイリッシュダンスを現代風にアレンジ。
フラメンコやいわゆるタップダンス等、他文化の舞踏も巧みに演目に取り入れつつ送る迫力のパフォーマンス。
さらに音楽はこのショーのために作られたオリジナルで、「ほぼ」生演奏される。
この音楽はCDとしても発売されていて、なんと1997年には「ベストミュージカルショーアルバム」部門でグラミーを受賞。
スタートから10年。世界中で完売記録を塗り替え、これまでの観客層動員数は1800万人!という
とんでもないエンターテインメントなのである。
※リバーダンスについてはこちらを … http://www.riverdance-jp.com/intro.html
2000年にリバーダンスが来日公演をやった時に、たまたま友達に連れられてそのステージを見たことで
人生を変えられてしまった男がいた。
林孝之さん、当時27才。
なんとその林さん、全くダンス経験がなかったにもかかわらず、1年後にアイルランドへ移住。独学から始め、
なんと2年数ヶ月後にはリバーダンサーのテストにパス。
そして2005年のこの日本公演から正式なダンサーとしてステージに立つことになったのだ!
信じられるか?ほんとにそんな話があるんだよ!
こうやって書いてしまえば数行の話だが、考えれば考えるほどとんでもない。
「夢はかなうのだ」ということをここまで強烈に見せつけられた経験は僕にはない。ダンス経験なし!だぜ?
初めてこの話を聞いた時、僕は鳥肌が立つほど感激した。その林さんに会ってみないか?アイルランドに乗り込んで、
と誘われたのだ。「どんなにハードスケジュールでも必ず行きます」と即答したのも当然である。
昼過ぎ。ダブリン市内にあるリハーサルスタジオへ。
このスタジオは1800年代に建てられた倉庫を改造してリハーサルスタジオとして使用しているもので、
主に音楽とダンスのリハーサルに使用されている。
驚くほど防音がいい加減で、隣のスタジオどころか廊下を挟んだ反対側や廊下の向こうのスタジオの音までが
はっきりと聞こえてくる。そのどのスタジオから漏れてくる音も、あまりに素晴らしくてしばし聞き入ってしまう。
というか聞き入るほど漏れるなよ、スタジオなのに。しかもこっちはインタビュー収録だぞ。
午後1時過ぎ、スタジオにプリンシバルであるザラとデイビッドが現れる。
「プリンシバル」というのはトップダンサーのことで1チームに男女、各3名ずつがいる。
1日の公演でプリンシバルは男女各1名。3人が交代で演じるわけだ。
ちなみに現在、リバーダンスは世界を3チームに別れて興行している。ヨーロッパチーム、アメリカチーム、
そしてザラと林さんが所属するアジアチーム。(デイビッドはヨーロッパチーム)
通訳を交えてのインタビューというのは初めての経験で、会話がいちいち止まってしまうのには最後まで慣れなかった。
通訳無しでもわかる話は勝手に進んでしまうのだが、番組制作の都合上「1回ずつ止まって下さい」と指示が出る。難しいなあ。
2人へのインタビューが終わる頃、ついに今回の主役登場!林さんである。
想像以上に小柄なことに驚きつつも、実際に会えた嬉しさで胸がいっぱいだ。
まずはインタビューに応じてくれた2人へのお礼と、林さんへのご挨拶も兼ねて1曲。「Yellow」。
この曲には僕なりのアイリッシュミュージックテイストは含まれている。
この国に来て最初に歌う曲はYellowだと決めていたのだ。
ミニライブの後、ザラ、デイビッド、林さんのリハーサル風景を撮ることに。ちょっと嫌な予感がします…。
…ずばり、嫌な予感的中。ザラがこう言ったのだ。「サトルにアイリッシュダンスのステップを教えるから一緒に踊りましょう!」
いやあの僕はダンスは40才になるまで封印しておりまして…などとギャグをかましてる間もなく、
気がつけば4人並んでカメラの前に。
丁寧に教えてくれるザラ。複雑なステップを1つ1つ分解しながら丁寧に教えてくれる…と思ったらドリャーっと本気レベルに。
できるかそんなもん!と思いつつも結局10分ばかり一緒に踊り続けましたとさ。ちょっと楽しかったです…。
その後、僕からの提案で4人でセッション。
僕がギターを弾き、適当に歌ってる横で3人がステップを踏む。
これ、どっかで見せられないかな。と密かに思う私でありました。
その後、場所を公園に移して林さんへのインタビュー。
場所と天気と風、そして何よりも林さんの人柄により、そのインタビューは非常に感動的なものになった。
話せば話すほど、林さんがやり遂げたことの素晴らしさに身震いがする想いだった。
インタビュー終了後、林さんへ僕からのプレゼント。林さんに会うことが決まった時、すぐに思いついたことだった。
公園の芝生の上で「天使達の歌」を歌う。林さんはとても喜んでくれたようだった。
取材が終わった後、林さんと一緒に早めの夕食。
いろんな話をし、ワインで酔っぱらってくるうちに林さんとはすっかり意気投合。
林さんはダブリンから電車で3時間かけて、リムリックという街にある自宅に帰る予定だったのだが、
「今夜はダブリン泊まろうよ!菅君(GIPのスガ君。この企画のプロデューサー)の隣のベッド、あいてるから!」
と誘ってみるとあっさりオッケー!よし今夜は一緒に繰り出すぞ!
その後、ダブリン中を歩き回りつつ2件のパブをはしご。
すっかり酔っぱらってしまいましたとさ。
いやあ林さん最高!素晴らしい出会でありました!
※林孝之ブログ … http://irishdance.jp/blog/
(2005年10月4日分日々の営みより)
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